不登校や中退、ひきこもり、進路の迷いや人間関係の悩みなど――。いま、多くの若者たちが「学校に行かない」という選択のなかで、自分のペースで未来を考えられる場を求めています。「お勉強界隈」は、そんな背景をもつ10代・20代が、安心して学び・出会い・やってみたいことに挑戦できる、“もうひとつの学びの場所”です。義務感や評価に縛られず、「学び直したい」「話してみたい」「誰かと一緒に過ごしたい」と思えたときに参加できる自由で、対等な関係性を大切にしています。

学校に行きたくても行けない子どもたちの“学び直し”を応援するサードプレイス
2025年6月29日(日)、東京大学駒場キャンパスにて、一般財団法人ゆめいくが主催する『お勉強界隈』を開催しました。
この活動は、「いじめ・家庭環境・経済的事情などにより学校に行きたくても行けない」10代・20代の子どもたちに、もう一度“学びたい”“人と出会いたい”と思えるきっかけを届けることを目的としています。
今回も、学びの象徴ともいえる東京大学で、10代の若者たちと大学生が交わる一日が実現しました。
活動内容
学習支援
わからないところを聞いたり、自分のペースで勉強したりできる時間を設けています。テスト対策や基礎の学び直しなど、希望に応じて大学生メンバーがサポートします。
交流・体験プログラム
ボードゲーム会やメイク講習会、進路や生活にまつわるミニワークショップなど、「勉強だけじゃない学びや出会い」もたくさんあります。参加は自由。初めてでも安心です。
大学生・若者との交流
スタッフは大学生を中心に、元当事者や多様な背景を持つ若者たち。参加者との「対等な関係性」を大切にし、学校の代わりではない、新しい“つながり”の形を目指しています。
“学び”も“おしゃべり”も、“かわいい”も
当日は、勉強の時間に加え、お菓子を食べながらの自由な雑談タイムや、希望者を対象としたメイク講習会など、多様なプログラムを実施。
参加した中高生たちは、それぞれのペースで交流や自己表現を楽しみました。
お勉強界隈には3〜4回目の参加。学校は行ってないけど、ここでなら“ちょっと勉強してみよう”って気持ちになります。最初は緊張したけど、東大の人も優しくて、カードゲームとかメイクとか楽しくて、また来たくなりました
13歳参加者
“1人で勉強したくない日”にもみんなとできる場所があってありがたいです。
14歳参加者


「学ぶことへのハードルを下げたい」から始まった取り組み
『お勉強界隈』は、大学生ボランティアを中心に企画・運営しており、一般財団法人ゆめいくがその活動をサポートしています。
ゆめいくの中で、現在「教育事業プロジェクトリーダー」を務める大学生は、自身も「勉強が得意ではなかった」「学校生活に難しさを感じた」経験から、「誰かと勉強したい日も、したくない日も来ていい場所があれば」と考え、活動をスタートさせました。
一番大変だったのは“人を集めること”です。興味がないところからどう関心をもってもらうか、毎回模索でした。でも、毎月続けてきて“来てよかった”という声が増えて、本当にうれしいです。大学という場は、“ここではこういうルールがある”という空気も自然に伝えられるし、大学生と10代が出会うことで、思いがけない学びが生まれる。化学反応のような場だと思っています。
運営メンバー談


継続が信頼と成長を生んだ
ゆめいくが任意団体の時から継続されているている『お勉強界隈』。
最初は「友達を呼んでも来てくれなかった」時期もありましたが、今ではSNSなどで情報を知った初参加の子どもたちが増え、“信頼される居場所”へと育ちつつあります。
“勉強なんて嫌い”って言ってた子が“また来たい”って言ってくれるようになったのが、一番嬉しいです。
運営メンバー談
次回開催と今後の方向性
『お勉強界隈』は継続的に開催していきます。
2025年7月は、東京都内の一般財団法人ゆめいく事務所にて、いずれかの日曜日に実施を予定しています。開催日や内容の詳細は、公式サイトやLINEなどで随時お知らせします。
今後もゆめいくでは、勉強そのものに加えて、脱出ゲームや科学館訪問など、「遊んで楽しみながら“考える力”を育む」社会的体験にも取り組んでいます。
私たちは、机に向かうことだけが「学び」ではないと考えています。小さなきっかけが、大きな変化を生む一歩になるかもしれません。
どんな背景を持つ子も、“来てもいいんだ”と感じられるような場を、これからも育てていきます。
少しでも気になった方は、ぜひ気軽にのぞいてみてください。